突然ですが、みなさんは『にやける』という言葉の意味が分かりますか?

聞いたことがある人ならば、おそらく「声を出さずに薄ら笑いを浮かべる」というニュアンスの意味を考えたことと思います。しかし、この『にやける』という言葉の本来の意味は「男性がなよなよとした女性のような振る舞いや恰好をする」なのです。知っていましたか?
鎌倉〜室町時代から使われるようになった言葉で、無骨な武家の男性の中において、男色の色気を売りにするために化粧をしたり女性の着物を着たりするものが現れ、そういう男のことを指して「若気(にやけ)な男」と呼びました。それが動詞化して『にやける』となったのです。ですから、芸能人でいうとマツコデラックスやIKKOさんのような人を「にやけている」というのが本来なのですね。
では、「薄ら笑いする」という意味はどこから出てきたのかというと、これは『にやにやする』という言葉の持つ意味。語感が似ていることで混同されてしまったと考えられています。

同じように混同されてしまった言葉は他にもたくさんあります。例えば、『新(あたら)しい』という今でも日常的に使う言葉。じつはこの言葉も奈良時代の万葉集の時代には『新(あらた)し』と言っていました。今でも『新(あら)たに』と使うときにはその名残が見えますね。ところが、平安時代頃になると「惜しい、もったいない」という意味の『惜(あたら)し』と混同され、音転倒(おんてんとう)して『新(あたら)し』に変わってしまいました。かの有名な清少納言の枕草子にも『新(あたら)しき』の形で使われています。誤用を広めたのは清少納言だった、と言ってもあながち間違いではないのかもしれません。

現在日本語の誤用であると指摘されるものには様々な種類があります。『確信犯』 『役不足』といった語意上のもの、『ら抜き言葉』といった文法上のもの、『よろしかったでしょうか』 『〜になります』といった敬語の用法上のもの、『若者言葉』と呼ばれる新たにつくられたものなどがあげられます。
やはり自分が習い、覚え、使ってきた言葉と違っているとある種の違和感を覚えることもあります。しかし、先に挙げた『新(あたら)しい』のように、時が過ぎだれも違和感を覚えないのならば誤用は誤用ではなくなるのです。[言葉は生きている]とも言われるように、意思伝達の1つの手段でしかない言葉というものは、絶えず変化して然るべきものなのではないでしょうか。


おまけ

誤用を広めたのは清少納言だった、〜と書きましたが、当の本人は枕草子の「ふと心劣りとかするものは」(186段)の中で、
「言葉遣いの卑しい人には幻滅します。でも悪い言葉だと分かったうえで使っている場合はそうでもありません。そうと知らずに使う人には呆れてしまいます。」
といった趣旨のことを書いています。
「私は誤用と分かったうえで文学的表現として使っているのよ」とでも言っているかのようで、気位の高さというか何というか意識の高さのようなものを感じてしまうのは私だけでしょうか(笑)
(清少納言は天皇の家庭教師をするほどの才女として知られています)

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『[あたらしい]は間違い!?』
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